『Silent』 6話を観て

今話題のドラマ『Silent』にハマっている。川口春奈主演で共演に目黒蓮(SnowMan)、鈴鹿央士、夏帆風間俊介篠原涼子、板垣李光人、桜田ひよりといった若手からベテランまで人気と実力を兼ね備えた俳優陣が顔を揃え、プロデューサーは『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』『信長協奏曲』などの村瀬健が務め、演出は『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』の風真太樹、脚本はヤングシナリオ大賞受賞後、初連ドラにしてオリジナル脚本執筆となる生方美久、主題歌にOfficial髭男dismと放送前から次々に解禁される情報に胸を躍らせ期待に期待を重ねて待ち続けたドラマだ。放送後からその反響はすさまじく、TVerの歴代再生数を何度も更新しており、テレビの話をしなくなった私の周りでこのドラマの話が出るほどだ。私もそんな大人気ドラマの渦に巻き込まれている内の1人である。

11月10日に放送された第6話はメインキャラクターである佐倉想(目黒蓮)とその友人である桃野奈々(夏帆)を中心に描かれている。

物語の序盤では徐々に耳が聞こえなくなるなかで想が受けてきた差別やそれにより感じる孤独感、悲しみ、戸惑いが描かれた。想の同級生2人の想に対する接し方、立ち振る舞いすべてが妙にリアルで心に重い何かを置かれたような感覚になった。

A「まあいっか。なんかノリ悪そーだし。」

B「聞こえるから。あ、聞こえないのか。」

A「やめろよ、お前。」

同級生2人が笑いながら交わしたこのやりとりのようなものは実際の日常生活でも掃いて捨てるほど転がっているし、こういう誰かを好き勝手に笑い(嘲笑と言うべきか)のネタにするという場面も腐るほど見てきた。ネタにしている側は冗談のつもりだし、ネタにされている側が深く傷ついていることに気づかないどころか考えもしない。そんな人間には死んでもなりたくないとあの場面をみて改めて強く思った。

(怒りのあまり脱線してしまった、ごめんなさい、、、)

そんななか出会ったのがろう者の奈々である。奈々と話していくなかで想は自分の中にある不安、悲しみ、孤独感を曝け出していく。

違うのに。ただ、誰かに聞いてほしかった。静かに話だけ聞いてほしかったんです。ただ不安だってことが言葉にできなかったのが苦しかっただけで。

そう話す想対して奈々は

声出さないから大丈夫。

静かに話聞いてあげられる。

私は生まれつき耳が聞こえない。

でも、幸せ。

音がなくなることは悲しいことかもしれないけど音のない世界は悲しい世界じゃない。

私は生まれてからずっと悲しいわけじゃない。悲しいこともあったけど嬉しいこともいっぱいある。

それは聴者もろう者も同じ。

あなたも同じ。

と答えた。このときの奈々の表情と言葉が温かくて優しくて自分が不安なときにこんな言葉をかけてもらえたらどんなに救われるだろう、また自分だったら不安に感じてる人に対してどんな言葉をかけてあげられるだろうと考えた。想にとって奈々は孤独から救ってくれた唯一の恩人だし、紬(川口春奈)とも湊斗(鈴鹿央士)とも違う部分で繋がっている友達なんだろうと思う。

 

 

多数から弾かれる人

私は3人以上で歩くことが苦手だ。なぜなら決まって1人になるからだ。

例えば3人で歩いていると2:1になることがある。これは仕方がないと思える。奇数だからだ。しかし4人で歩いているときも3:1となり1人になってしまう。5人で歩いているときは2:2:1となる。なぜ3:2にならないのか不思議である。しかも私は決まって1の方にいる。会話に参加はしたいが、2と1、3と1の間にはとてつなく高く分厚い壁がある。残念ながらその壁を壊したり飛び越えたりする程のパワーは私にはない。だからそういう状況に陥ったら「気にしていませんよ」「1人で平気ですよ」という顔で周りの景色を楽しんでいるフリをして歩き、たまにたいして聞こえていないのに会話に参加しているふりして笑ってみたりする。そして、見栄を張っている自分に虚しくなる。

でも1人で歩いてるのは嫌ではないし、楽なときもある。なんとも面倒くさい人間である。

ここだけ切り取ると単純に私が会話することが下手だからそういう状況になりやすいと考えられる。もちろんそれも原因としてあるだろう。

しかし思い返してみると複数人で歩いているときだけでなく、列に並んでいるときも同じように多数から弾かれることがある。最初のうちは前の人の真後ろに立って列の中に真っ直ぐ並んでいるが、時間が経ってからふと自分の位置を確認すると私だけ横にずれていることがよくある。前を見ても後ろを見ても私以外は真っ直ぐ並んでいる。

子どもの頃から気づくと多数から弾かれて気づいたら1人になっていることが多くて不思議だった。

この2つの共通点は複数人の人が集まっているという点だ。特に列に並んでいるときに感じるのだが、複数人の人が集まっていると私は圧みたいなものを感じて苦しくなってしまう。満員電車のようにぎゅうぎゅう詰めになっているわけではないが、なにか息苦しさを感じてしまう。そうか、この息苦しさから逃げるために1人になっていたのかと思うとなにか腑に落ちた。もちろん、他にも色々な要因があるとは思うが、自分自身の選択で1人になっていると考えると少しだけ気持ちが楽になった。例え多数:1の1にいつもなってもこれは苦しみから逃れるための防御策だと思えば、見栄を張ることなく堂々と1人で歩いていけると思った。

ただ、やっぱり寂しさは感じるのだろうとも思う。なんとも面倒くさい人間である。

 

カネコアヤノ 日本武道館ワンマンショー2021

「よろしくね〜」

彼女は颯爽と登場してそう言った。

その言葉からアンコールまで21曲ノンストップで演奏は続いた。

私が座った席は注釈付きでステージの真後ろの席だった。席を購入した時はしっかりと観ることはできないだろうと諦めていたが、とんでもない。前から2列目でステージからも近く、普通の席なら観ることができない景色を観ることができた。

カネコアヤノ バンドのメンバーはカネコアヤノ (Vo,Gt)、林宏敏(Gt)、本村拓麿(Ba) 、Bob(Dr)の4人。私はこの4人が大好きだ。4人が奏でる音はもちろん、演奏時の雰囲気、それぞれのメンバーが互いに見せる表情、、、、。今回ステージ後ろから観ることでそのすべてを体感することができた。ほとんどの曲で前の3人がBobさんの方を振り返り集まって目を合わせて楽しそうに演奏していた。その姿があまりにも楽しそうで幸せそうでこちらまで今まで感じたことのない幸せを感じることができた。

そして何よりこの公演で1番幸せを感じた瞬間はラストに披露された『アーケード』だ。それまでは客席の照明は消されてステージのみ暖色の光で照らされており、立ち上がってる観客は一部でほとんどの観客は座って参加していた。しかし『アーケード』が始まった瞬間に客席上部の照明が点灯され、会場全体が明るく照らされたのだ。そしてその直後にまるで演出かのように一斉に観客が立ち上がり、それぞれの感情に爆発させるように動き始めたのだ。ステージの後ろから観ていたのもあるのだろうが、あの光景は本当に凄かった。これ以上ない幸せと興奮が私の中になだれ込んできた。あの光景は一生忘れることはないだろうし、ふとした瞬間に思い出すことはないだろう。あんなに幸せと興奮を一気に感じたことは初めてだった。まだまだ制限の中ではあるけど、同じ場所に集まり、同じ音楽を体感することの幸せをこれでもかと感じて胸がいっぱいになってしまった。

カネコアヤノさんは言ってくれた。「生きて必ずまた会おう」と。この言葉だけでどんなことも乗り越えていけると思わせてくれるくらい強かった。また会いたい。それまでまた生きていこうと思った。

また会えるその日まで。

G

土曜の夜。この世で1番平和で心が休まる時間だ。5日間仕事を頑張り、ここまで辿り着き次の日も休みだ。最高だ。そんな最高の夜に、テレビをつけ、ソファにこれでもかともたれ掛かり、無防備を体現していた。しかし、突如視界の右端に黒い影が動いたのがみえた。その一瞬で最悪の想像が頭を掠めた。いやいや、まさか。そんなわけないとその方向に目を向けた。確実にいる。奴が。そう、Gが。しかもデカいぞ。黒いし。一気に部屋がパニックルームと化した。ここから人間2人VS黒い生物の長い夜が始まった。

 

震える身体を必死に動かして、ゴキジェットを手に取り、例の場所へと向かう。しかし、いざ対峙すると余計な考えが頭を掠める。発射してこっちに向かってきたらどうしよう、厄介な場所に逃げ込んだら、そもそも近づくの嫌などなどと。「降参だよ」と笑いながらゴキジェットを置いたはいいもののこのままにしておくわけにはいかない。結局ゴキジェットは諦め、置き型の退治してくれるやつを買おうとドラッグストアへ向かった。ドラッグストアへ向かう前に奴がいる場所の前を通り、リビングの扉を閉めるでも大騒ぎしてしまった。隣、下、上の部屋の方、ごめんなさい。

 

ドラッグストアにてアースレッドWという最強武器を手に入れ意気揚々と帰宅したのも束の間、今度は先程やっとの思いで締めた扉を開け、アースレッドWを置かなくてはいけない。こわい。身体からは大量の汗が吹き出し、もし開けて目の前にいたらどうしようなどと考える。そこから20分程かけてやっとの思いで扉を開け、アースレッドWを置くことに成功した。そこから1時間以上放置しなくてはいけないので散歩へ出掛けた。束の間休息である。

 

1時間半が経過したところで重い足を引きずり帰宅した。こんなに家に帰りたくなかったのは初めてだ。扉を開けるとリビングの真ん中あたりに奴がいた。どうやらひっくり返っているようだ。よし、最高だ。だがここで大きな問題。彼をどう処理するか。文明の利器、インターネットを駆使して調べた結果、クイックルワイパーにガムテープをつけ、持ち上げてから袋に入れようとということになった。部屋に入り、恐る恐る近づく。うん、確かにご臨終しているようだ。狙いをすましゆっくりとクイックルワイパーを下ろし、下まで到着したところで回収しようと上に上げた。その瞬間、クイックルワイパーからペーパーが外れてしまった。私の手にあるのは裸のクイックルワイパーだけ。目線の先には全てを包んでいる掃除用ペーパー。ペーパーを持ち上げようと試みたが、ガムテープと床がくっついているようでびくともしない。せっかくここまで来たのだとやっとガムテープを剥がし、あとはペーパーを持ち上げるところまでこぎつけた。よし、勝利は目前だ。そう思い、ペーパーをあげた瞬間、その下に黒いものが見えた。そう、ガムテープにくっつかずにその場にステイしていたのだ。私は全力の「いる!!!!」を残しソファにダイブした。もう無理だ。完全に戦意喪失である。そんな私を見かねて、恋人がトイレから大量のトイレットペーパーを持ち出して奴がいる場所に落とし始めた。「これならいける」 と小さく呟き大量のトイレットペーパーを抱えてゴミ袋へ入れた。元の場所に奴はいない。そう、闘いは終わったのだ。私は「ありがとう」と小さく呟いた。

 

翌日、部屋の大掃除を1日かけて行い、今までの生活を取り戻した。もうこんなことはごめんだ。冬の始まりを早くも願っている。

トンネルの中からこんにちは

はじめまして。

chagiと申します。

 

ブログを始めました。

タイトルは『トンネルの中からこんにちは』。

先の見えない真っ暗なトンネルの中から

25歳のなんでもない日常を綴っていけたらと思っています。

 

トンネルを訪ねてその感想を綴るブログではないのでご注意ください。

 

それでは読んでくれる皆様、これからどうぞ宜しくお願いします。